おすすめ度:★★★☆☆
よく新聞にある人生相談形式で書かれている。回答の指示が著者の臨床経験に裏づけられた子細なものででたいへん興味深い。
おすすめ度:★★★★☆
基本的にはいつもの佐野節のエッセイで面白いのだが、「子どもを生む人生が幸せで、それは生物的にも当然」というような内容の対談はいただけない。これに加えて、日教組嫌悪や昔の人の方が立派だったという論調なども読むに耐えない。テレビの影響なのだろうかと思う。それまで見どころがあると思って好んで読んでいた著者でも、年をとったり、死期が近づいて思っていることを自由に発言するようになると、幻滅する内容が多いのはしょうがないのだろうか。
対談者毎にテーマがいろいろでおもしろく読めた。
高齢者の経済的な問題、認知症、死に方、延命医療、葬送について。
若者が起業しないというトピックがあるが、気質ではなくてデフレで起業に適さない状況なだけではないかと思う。社会学者の傾向なのか、この20年の不況は対応できないもので、これからも不況が続くという経済を所与のものとして考えているのはおかしい。高度経済成長のような成長は見込めなくても、名目3〜4%の経済成長は十分望めるはずで、そのような前提で介護などの問題を論じて欲しかった。
大きく4つに分けられているが、1部の『「私」を語る』が著者本人の経験について書かれていて大変おもしろかった。
時事エッセイ集。短い文がほとんどなので内容的にはもの足りない。2000年代の話が主で、すでにだいぶ忘れていることを確認した。
専門は精神医学のはずなのだが、戦争に関することについての著者の博識に驚かされる。