2021|01|
2013-02-22 [長年日記]
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2013-02-26 [長年日記]
_ [読書] 斎藤環『「社会的うつ病」の治し方』
解説編と対策編の二部に大きく分かれている。新型うつ病の人々に対するバッシングとは一線を画しているところが良い。解説編では、真面目で几帳面な人がかかる従来のうつ病から、仕事には行けないけれど旅行を楽しむことができるというような新型のうつ病への変化には社会の変化があると説明している。創作にリアリティを与えるための心理学の利用や操作主義的な考えからの心理学への需要といったことを要因とする社会の心理学化である。そして、新型のうつ病に対しては環境や人間関係を整えることが必要であるということをコフートの自己心理学などを参照しながら論じていく。著者の臨床経験がベースにあり、あまり聞かない主張なのでおもしろい。
対策編は、具体的で、家族はうつ病の人とどのような会話をすれば良いのかなどが書かれている。「人薬」の具体例である声楽療法の簡単な紹介なども興味深い。
おすすめ度:★★★★☆
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